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機械工学初心者でもできるかFreeCADでFEM解析

こんばんは、Operaです。

突然ですがある日唐突にCADでモデリングして応力解析をしたい気分になることってありませんか?
僕はそんな日があったので折角なんでまとめておきます。

1.解析対象

そもそも何を解析したいってオートバイのリアサスに挟むことでサスの長さを伸ばし車高を上げるケツ上げキットの解析をしたいんですね。

HTB16BjQOVXXXXa_apXXq6xXFXXXI.jpg
HTB1aifINFXXXXafaXXXq6xXFXXXZ.jpg

こういうやつらです、見ての通り中華製品なので強度計算はとっても怪しいですw 特に下のやつw

そもそもなんでこんなのをつけようと思ったのかというと、最近バイクに慣れていて、時々ワインディングなんかにも行くわけですがいくら自分が下手くそでもどうもバンク角の割に曲がらなく、アンダーステアが出ているわけです。
ライダー本人の問題も大いにあるのは重々承知ですが、実際リアサスがヘタってて縮んでおり既にフロントフォークの突き出し量も増やしているのですがそれでもこのザマで。
リアに箱を付けて+5kg近くの荷重がかかっているのも結構影響してそうです。
一応この手のケツ上げキットが存在するのは知っていましたが強度的な不安があり導入には至らず、しかしリアサスを新調するのはお財布が...
なんて思ってた時に大学の実験でFEM(有限要素法)を使った応力解析をやったので折角だからその知識を活かそうと思った次第です。
(何?そんなん付けたら短足がつかなくなるだって?足つきは気合でカバーすんだよ!)
結果は後のお楽しみにしますが果たしてどのような結果になるのでしょうか。

2.解析環境と下準備

フリーのCADはあれど流石にFEM内蔵のは...って思っていましたがFreeCAD(v0.16)なる名前からしてフリーソフトなCADにFEMが内蔵されていたので今回はこれを使おうと思います。
尚、ここから下の内容はこちらの記事を参考にさせてもらいました。

まずはそのへんの記事を読んでFreeCADをインストールして対象のものをモデリングします。
今回は上記で上げた2つのうちマシそうな方を例に挙げます。
寸法が公開されていない時は画像をDLして分かる寸法から長さを推定しましょう。

 2_20170730211235baf.png

できました。CADは高専の授業で5年前に使って以来ですが結構覚えてるものですね。
では3DモデルができたのでFEM解析をしていきましょう。

3.FEM解析

解析にはまず上のツールバーからモードをFEMに変更します。

10.png 

次に、有限要素法のタブから新しい力学解析を選びます。

9.png

新しい力学解析ができたら「有限要素メッシュを作成します」からメッシュを生成します。
有限要素法とはモデルを三角形で分割し、その内部の応力・歪みを一定として近傍の三角形との相互作用から全体の応力・歪みを計算する計算法です。
つまり何かというととりあえずモデルを分割して計算するぜってやつです。
当然、三角形の数が多いほど精度は高くなりますが計算時間もかかるので今回は細かさを中程度として解析を行います。

3_201707302112378ed.png 

メッシュが生成できたら次は「FEM固定拘束」から拘束条件を決めます。
応力解析をするにはどこが固定されててどこに力がかかるのかを決めないとにっちもさっちも行かないのでとっても大事なことです。
今回はサスペンション側のボルト穴の内面を拘束することにしました。
拘束する面の決定は面を選んでから「参照を追加」を押すことで決定できます。

4_201707302112381b8.png

拘束を決定したら続いて「FEM荷重拘束」から荷重をかける面を設定します。
面の決定は拘束と同様に面を選んでから「参照を追加」から決定します。
また、荷重の方向は「方向」を押してから荷重をかけたい方向と垂直の面(ここではモデルの下面など)を選ぶことで決定できます、方向が逆なら逆方向で反転しましょう。
面荷重については今回は乗車時に車体重量+乗員=300kgfがかかり、それが前後輪&リアサス2本で分割され300kgf/2/2=75kgfになり、サスの固定角度が60度なので70kgf/cos60deg=87kgf、そこに走行時に最大で4倍の荷重が加わると想定し87kgf*4≒350kgf、単位をNに直して3.5kNとしました。
ちなみにCB400SFの車重は200kgほどですが別に僕の体重は100kgもありませんよ?ただ概算してるだけですからね?

5.png

最後に、「機械材料...」から機械材料の各種特性を設定します。
今回はアルミニウム合金製らしいのでそれにしておきます。

6.png

あとは準備は全部できたので「ソルバージョブ制御を開始」から解析を行います。
解析のときには予め左のタブのモデル-MechanicAnalysis-CalculiXを選んでおかないとそれを選べないみたいなので気をつけましょう。
解析は「Inpファイルの書き出し」-「CalculiXを実行」で行えます。ちなみにこのモデルの解析は結構時間がかかりました、2分ぐらいだったような...?

11.png

あとは「結果表示」で色んなとこで見たことのあるアレが見れるようになります、楽しいですね。

7.png

しかぁし!解析に問題発生。角の部分に特異点ができてしまった!
元々FEMはこういう端っこの解析は苦手で応力が集中しやすいのです。
というか、元々材料力学的にはこういうとこの応力って無限になるんじゃなかったっけ...?(機械科歴半年なので分からない)

8.png

とはいえ、特異点を含め最大応力は75.9MPaでした。特異点を外せば赤い部分はほとんどないので実際にかかる応力は低い気がしますが。
特異点以外の応力分布はほとんど緑色(最小値に近い)ばっかで分からないので無料CADに文句を言うのはお門違いではありますが色による凡例が欲しい...

ここで、この商品は自称「T6 alminium alloy」だそうのでT6処理をしたアルミニウム合金のどれかなわけですが、適当なサイトから引っ張ってきた各種アルミニウム合金の物性値によるとT6処理をしたアルミニウム合金だと一番スペックの低いA6063-T6でも耐力は215MPa、疲れ強さは70MPaだそうです。
耐力ベースで考えると安全率は2.83、疲れ強さベースで考えると0.92です。特異点以外の応力が低いのを考えるとまあ多分大丈夫でしょう(希望的観測)。

ちなみに、もう一個の怪しい方のやつはどうでしょうか。
モデリングして同じ条件で解析したところ

12.png 

多分これは...うん...最大応力は40MPaほどですが素材が何もしてないA1100あたりのアルミっぽいから疲れ強さは安全率割ってるのと下側のサスの固定穴付近の応力分布が凄まじいのでちょっとこれは厳しそうですね...
実は最初にこっちのほうをモデリングしてましたが結果が残念だったのでおまけ扱いとしましたw

4.まとめ

結果として、2商品を解析したところ高い方のやつは安心して使えそうということが分かりました。
結局これで遊んでたら丸一日潰れた気がしますが楽しかったので良しとします。
片持ち梁のような例題のような構造以外はなかなか手計算で解析するのは難しいので、このような解析で部品の安全性を確認できるのはとても有用かと思います。

今回の記事はオートバイ成分皆無でしたがそのうち実際に買って取り付けた結果の記事も書きます、ではまた今度。






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おぺら

Author:おぺら
強電から弱電まで狭く浅くやっています。
強電:コイルガン(充電&発射部)、テスラコイル
弱電:コイルガン(制御)、鉄道模型版PRC&CTC、マルチコプター
最近はエンジン回して遊んでいます。

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